本のハコ

超個人的読書メモ

『初稿 倫理学』和辻哲郎

一二  『人間の学』の意義  (一)人間の問

人間の学とは『人間とは何であるか』と問うことである。そうしてこの『問うこと』は、一般的に云って、人間の一つの存在の仕方に他ならぬ。然らばこの際問うこと自身がすでに問われていることであり、問うもの自身が同時に問われているものである。ここに人間の学の本質的な特徴が存する。それは人間がおのれ自身を問題にするということである。即ち人間が自覚的に存在するということである。人間の学とは人間の自覚的な存在の仕方に他ならぬ。

 

『風土』を読んで残った疑問の一つが、人間が自分自身のことについて考える時はどうなのかということ。

寒さとか砂漠だとか、自分の外にあるものと自分との関係を現象学的に捉える、っていうのはなんとなくわかるようになってきた。でも自分と自分の組み合わせの場合ってどうなの?それがこの先に書いてあるのだろうか。これから読む。